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基山町まちづくり基本条例

「基山町まちづくり基本条例」が議事案件として基山町議会上程され、議会は特別委員会を編成して審議を重ねてきた。議会は、1月26日に第13回特別委員会を開催した。

審議事項は「前文」についてであった。3人の議員が選ばれ、町長が提出された前文に修正を加えた。主たる修正事項は「住民」→「町民」に修正したことである。それを特別委員会で多数により認めた。委員会でこれを認めたという事は、委員会が「協働」ということについて十分に議論を尽くしていないのではないか又「まちづくり」とは何かということについても十分に議論を尽くしていないのではないかと理解せざるを得ない気がする。その理由は次のとおりである。

「基山町まちづくり基本条例」は、当初段階では第4次総合計画に基づき「基山町協働のまちづくり基本条例」として出発し、検討がされてきた。行政と住民が協働して「まちづくり」をしようという発想である。協働というのは何か?事業を協働(事業協働)で行うのか或いは政策も協働(政策協働)で考えるのかという議論が盛んに行われた結果、「協働のまちづくり」から“協働”という言葉を削除し、ネーミングは、単なる「まちづくり基本条例」に落ち着いた。

ところが「協働」という言葉を削除した意義は大きく且つ重い。行政が行っている事業を協働する(事業協働)相手は住民、NPO団体或いは会社等でも構わない。しかし「政策協働」となると自治体の自治そのものになる。
これは、憲法第3章「国民の権利及び義務」第8章「地方自治」及び地方自治法第1編「総則」で明らかなように主権在民、住民主役である。基山町の「まちづくり基本条例」が、投票権のない者に“まちづくりに参加する権利”を認めたことは大きな誤りではないか。「協働のまちづくり」では看過できるが、「まちづくり基本条例」においては、地方自治権の侵害、変更を定義したことになると考えられる。

即ち基山町が「協働のまちづくり基本条例」から「まちづくり基本条例」にネーミングを変えるだけで、本質的な事項が全くと言っていいほど変わる。

「きょうどう」という言葉を漢字で表現すると「共同」「協同」「協働」等がある。
「共同」は、主権者同士が協力をして同じ目的を達成することで「日米共同作戦」などがある。
「協同」は、目的を共有するものが協力して目的を達成しようとすることで「農業協同組合」等がある。
「協働」は、“行政と住民が協働して・・”という具合に、地方自治体が主導的に行ってきた自治事務を、可能なものは主権者である住民等(NPO団体、会社他を含む)と共に行おうというものである。


次は2月1日に特別委員会を招集する旨議員に通知があった。
基山町は、ある条例において、実施機関の定義に「議会」を加えたり、或いは条例に基づかないで住民の権利を制限したり義務を付加する規則が告示されていたり、規則を定めないで要綱(考え方)を規則代わりに使っていたりと驚くことしきりである。法治国家における地方自治体の行政がこのように無様な様相を呈しているのは何故だろうか。

地方自治体は、法律の範囲内で条例を制定できる。議会は条例を設けまたは改廃する事件を議決することになっている。
議員が任務を全うするには、法律を、法理論を、行政理論を、又日本語をもっと勉強しなければと反省することしきりである。

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